2012年11月15日木曜日

ノートPCをサーバにしまくっている。

ノートPCをサーバにするという手法は結構前からあるけれども、賛否両論のようなので、
僕の事例を交えつつ、結局どうなのよ、と思ったので、僕の場合をば。

結論から言うと、僕は業務用途としてガチでノートPCをサーバにしまくっている。
かれこれ台数だけなら20台を軽く超える。

まず2009年のスラッシュドットジャパン。
http://askslashdot.slashdot.jp/story/09/04/18/0420241/%E3%80%8C%E6%99%AE%E9%80%9A%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%81%AF%EF%BC%9F
これは末永氏の
http://d.hatena.ne.jp/tasukuchan/20090417/nicopedia_hardware
を受けての記事。
賛否両論。

僕はノートPCをサーバにすること自体は賛成なので、反対の人はどうだろうと思い、googleで
ノートPC サーバ
と検索した所、トップに出てきたのが
http://mzex.wordpress.com/2008/05/16/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88pc%E3%82%92%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%90%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1/

なるほど。分かりやすくまとまっている。
前提条件が変(後述する)だが、丁度良いので、これをベースに「ノートPCをサーバにする理由」を以下。

・ノートPCをサーバにすると、デスクトップより性能は劣るけど、UPS付いてるし静かで良いです。
>物には適材適所ってものがあるんですよ。
というのは間違いなくて、適材適所な場所がサーバでした、ということ。
ただ、運用の仕方を間違うと、酷く間違ったことになってしまう。
上記URLの事例の場合、恐らく部署のよく分かっていない人が、ファイルサーバに仕立て上げていたんだろうと推測できる。
何故なら、そもそもOSの選定がおかしい。XPのHOMEは5台までの接続制限があるし、セッションを増やそうにも増えない筈。
winserver系や、Linuxでサーバを立てないと接続制限の壁を超えるのは一苦労。
というのも、昔同じ事を使用として失敗した経緯があるから分かるというまた切ない感じ・・。

・2.5型HDDはどういう用途に使われるように出来ているかは分からない
組み込みなので正直分からない。ただ、24時間がりがり読み書きするようには作られていないと推測するならば、
もしファイルサーバ用途にするならば、外部にサーバ用HDD(SGとかHGSTの)をUSBや、E-SATAで繋ぐべき。
僕は別事務所のファイルサーバでは、E-SATAで外付したHDDを、cronでUSBで外付けしたHDDにコピーして簡単な冗長化をしている。
他の機能を有したサーバは、普通に内蔵HDDで動いている。

・リチウムイオン電池は満充電状態で劣化するが、大したことはない
panasonicのレッツノート、東芝のダイナブック、シャープのメビウス、ソニーのVAIO、asusのEEEPC等々をサーバに仕立て上げ、
運用していた経験からすると、24時間付けっぱなしにしていたからということでリチウムイオン電池がへたったことは1回もない。
これはテストしてみたから分かるけれども、3年付けっぱなしにしていた複数台複数メーカーのノートサーバの電源を引っこ抜いた所、
実運用に差し障りがあるようなへたり方はしていなかった。要は1時間以上、バッテリーで動作し続けた。
東芝のダイナブックは凄くて、カタログスペックで1時間30分なのに、1時間以上バッテリーで動作し続けた。東芝凄いねえ。
因みに、バッテリーがへたってしまったらもう使えないのか、といわれると、答えはノーで、バッテリーを取り外した状態でも、電源さえ抜かなければ動く。
そうなったときにはじめてUPSのことを考えてもいいし、UPSを買ったらたこ足できる(笑)。
省電力ならではだよね。

・LCD、バックライトの回路がだめになっても気にしない
そもそもサーバ用途なのだから、ここはどうでも良くて。どうしても必要ならば外部接続すればいい。
むしろ液晶が壊れてしまったノートPCをサーバにすればいい。

・メンテをしたことがない。
ものはいつか壊れるので、ほこり取りは1Uサーバだろうが4Uサーバだろうがやったことがない(自慢できる事じゃないけど)。4Uサーバを一度開けたくらいか。
サーバの運用設計は、基本的に壊れること前提で運用するべき。
絶対壊れないものなんて無いんです。
あと、大抵のノートPCはファンが止まっても何故か動き続けている。

不思議。

・いつかは環境を破壊する。
ブレードサーバもSPARCも、どんなサーバもいつかは壊れる。というより、年々上がっていく要求スペックに耐えきれず、置き換え要求の方が早く来るのでは?

・プリントサーバ、ファイルサーバなら安価な専用機があり、簡単にしつらえるなら強くお薦め。
上記用途みたいなことで無駄にPCをサーバにするのは反対。サーバが必要なのは、同時接続数が多くなったり、いわゆる安価なサーバ製品が耐えられなくなった際に
必要に迫られるもの。本当はセキュリティリスクを抱えてまで、サーバなんて組みたくもない、というのが正直な所。

・ノートPC本体も24時間連続稼動を前提に設計されていないかもしれないが、十分耐える。
サーバ用途の製品を使っていないサーバなんてごろごろあるし、十分に実績があるので気にしていない。

・やっぱりノートPCはサーバに適している
ノートPCは「小さいし静かだし省エネだしUPSついてるし中古は安いし性能はデスクトップと同じだしサーバーにうってつけ。これ思いついた私サイコー!天才」
と思う人はおらず、実際は
「ノートPCって小さいし静かだし省エネだしUPSついてるし新品で買っても性能はデスクトップより劣るけどサーバーにうってつけ。これ思いついた私サイコー!天才。」
ではと。
天才まで入っているかどうかと言われると、違うと思うが。

・そもそもサーバ運用はインシデント発生が前提の世界
フォールトトレラント設計が前提の世界なので、業務用途で使うなら多重化は当たり前だろうし、
個人用途でもミッションクリティカルな状況が拙いものに、拙い設計をするはずがない。
もしそういう事が分からないままサーバにしようと思う人がいるのであれば、何を使っても同じなのではないか。
結局、「壊れても良い設計がないままにサーバを運用することはないので、何を使っても結果は同じ」ということ。
壊れて困るなら、何を使っててもバックアップのシステム組むよね。

・結局財布次第
僕だって高価なハードウェアを使いたいし、APCで重い無停電電源を買いたい。
でも3相200vを引けなかったり、IA64なんて死にそうなシステムを社費で買えなかったり、そもそも場所がなかったりするわけで。
リスクを減らすには金がかかるし、理想論を並べるならばいくらでも並ぶけど、
現実的なラインとしてノートPCを使わない手はない。
お金持ちは良いね。

現実的なリスクは・・・中華パッドよろしく爆発の懸念位か。
これは携帯電話もそうだけど、リチウムイオンバッテリーにつきまとうからなあ・・・。
まあ、爆発したことは無いですけどね。

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