2018年2月28日水曜日

IPカメラによるリアルタイム監視システムの設計における光回線の速度と使用可能なカメラ台数

IPカメラでの監視ソリューションがメインになってきている昨今で、サイトデザイン(設置場所の設計)をやってみようと思う。
その際、axis communicationsのサイトデザイナーが秀逸だったので、こちらを利用しながら考える。

想定シナリオ
監視カメラによる24時間録画
方形店舗で、屋内のみ監視
カメラ設置場所は、入り口、奥から、手前からの3点
解像度はいわゆるフルHD(1920x1080)、画質はaxisの「標準」
録画期間は7日
視聴に関しては画質のさらなる圧縮をしない

すると、ざっくり必要なモノが出てくる。

カメラ1台あたりの帯域と記憶域は、240GB/3mbpsとなる。
なので3台で720GBの記憶域、9mbpsの回線帯域が必要。
但し、この回線帯域は録画アプライアンスまでに必要な帯域なので、オンプレミス(ここではローカル環境を指すことにする)では無くクラウドの場合、光回線等のインターネット回線に、この帯域が要求される。
また、リアルタイムで遠隔監視する場合、1遠隔サイトにつき、同様の帯域が要求されるので、たとえば3拠点でリアルタイム監視する場合、
3mbps×3台×4拠点(3拠点とクラウド)=36mbpsの帯域が必要。
これに、カメラによってはpoe対応のハブ、オンプレミス保存用のストレージアプライアンス、警報器、その他センサー、コントロールアプリケーションがついていくことになる。

何故こんな検討をしたかというと、監視ソリューションの営業が来たのである。
ぽんぽん色んな商品を紹介していくのだけれども、インフラ周りには無頓着のようで。
光回線の平均速度は、実はそんなに速くないからである。
体感も含めて、いわゆるベストエフォートで●ギガを謳っているところでも、マックスで150mbps行けばいいほう。
地域平均なら、恐らく100mbpsを下回ってくる。
ということは、上記の例で、光回線が100mbps、カメラと同じ回線に社員も乗っかるとなると、すでに三分の一超を使用していることになる。
それを常時使うということになるので、結論的には「常用回線は、カメラの回線とは別にするべき」ということになるだろう。
因みに上記計算で、1拠点視聴+クラウド保存(計2拠点)の場合、いくつまで設置できるかというと、1台あたり6mbpsの帯域を使うので16台が限度に近い。
マージンを見て、光1回線あたり14台が理想か。

次に、というか、実は本題なのだけれども、転送量制限がある可能性がある。
NTT(ocn)の場合、撤廃されたとはいえ1日あたり30GBを上限としていた。恐らくニアリーなところで制限(極端な速度遅延)が付くか、ゆるやかに転送速度が遅くなるはず。今回の試算の場合、240GB/7dayなので、保存だけで1日あたり34GB転送することになる。よってオンプレミスなら制限は無いので問題ないが、「クラウド保存の場合、そもそも設置できない」というオチが付く。
ということで、現状だとフルhdクラウド保存での24H監視カメラは色々難しく、どこかで妥協することになる。
720pで14GB。2台設置可能。フレームレートを12fpsにすると、7GB。4台。

結論として、1回線あたり14台を超えない台数で、4台前後が、恐らくベターな数だということ。
こう計算していくと、クラウド保存がどれだけ負担になるのか分かりやすいなあ。
あの営業フルHDで32台運用とか頭おかしい話して帰りやがって、と思うのでした(画質落としまくってもクラウド保存は無理かな・・・)。

なので、arloのような動体感知式で、24Hではなく極力動作を抑える(それでも人の出入りが激しいと意味は無い)か、1サイト1サーバでオンプレミス構築が適当か。

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